NECがAIで開示作業を93%削減──中小企業が学ぶべき3つの導入ポイント
IT mediaの2026年4月20日付の報道によれば、NECが生成AIを活用した開示作業の業務改革により、従来の工数を最大93%削減したという。1,300ページにおよぶ資料をExcelに整理する地道な作業をAIが担い、担当者は確認と意思決定に集中できる環境を実現した。この事例は、大企業だけでなく中小企業にとっても示唆に富む内容だ。
なぜ「93%削減」が実現できたのか
NECの事例で注目すべきは、単に「AIツールを導入した」ことではない。業務プロセス自体を再設計し、人が担うべき判断業務とAIに任せられる機械的作業を明確に切り分けた点にある。AI導入の失敗例の多くは、既存業務にAIを後付けするだけで終わってしまうケースだ。プロセスの見直しとセットで考えることが、大きな成果につながる。
中小企業が取り入れるべき3つの視点
1. 業務の「機械的部分」を可視化する
まず、自社の業務で「人が考えなくてもできる作業」をリストアップする。データ入力、書類の仕分け、定型レポートの作成など、意外と多くの時間を占めている。この棚卸しだけでも、改善の糸口が見えてくる。
2. 小さく始めて検証する
いきなり全社導入を目指さず、1つの業務で効果を検証する。月10時間削減できれば、年間120時間──パート1人分以上の価値が生まれる。小さな成功を積み重ねることが、組織全体の変化につながる。
3. 判断は人間が担う
AIに丸投げせず、最終チェックは必ず人間が行う。これが品質と信頼性を守るためのポイントだ。特に顧客対応や契約関連の業務では、人の最終判断を外さないことが信頼につながる。
GIFTが見る、SMB向けAI活用の勘所
当社がコールセンター運営とDXコンサルティングの双方を通じて感じているのは、中小企業こそAIの恩恵を受けやすい、ということだ。大企業のような複雑な承認プロセスがなく、意思決定のスピードが速いため、小さな導入と改善のサイクルを回しやすい。
重要なのは、AIツールの選定よりも「何を削減したいか」を明確にすること。ゴールが定まれば、ChatGPTやClaudeといった汎用ツールでも十分に効果が出るケースは多い。逆に、ゴールが曖昧なまま高価なツールを導入すると、投資対効果が見えなくなり、社内で活用が定着しない。
まとめ
NECの93%削減という数字は印象的だが、本質は「機械的業務と判断業務の切り分け」にある。中小企業でも、1業務・1カ月の小さな検証から始めることで、同じ効果を享受できる可能性は十分にある。AI活用を検討している方は、まず自社の1週間の業務を棚卸しすることをおすすめしたい。そこに「削減可能な時間」がどれだけ隠れているかが見えるはずだ。
出典: https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2604/20/news021.html